京都きものファッション協会Association of Kyoto kimono fashion

きもの・和装kimono

きもの(着物)や和装、着付けに関する情報を掲載しております。

イタリア ベニスカーニバル きものショー

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イタリア「ベニスカーニバル」きものショーを終えて

2012年2月15日(水)成田空港を出発、同日現地時間 15日18:30分(時差8時間)に
水の都ベニス空港に到着。
一路、ベニス市のホテルにチエックイン。

いつものことながら、着くなり明日の本番に向けての打ち合わせを始める。
長旅で「疲れたなど言っていられない」何しろ着く草々準備をしないと間に合わないほどの
強行軍である。

ヨーロッパ全土が、前日まで雨や雪の暴風雨で、ベニスも氷が張り、大変寒い日が続いて
いたようだ。ところが16日の本番は青空で気温も京都と変わらないほどで、ひとまず一安心。
何しろ今回はホールんでのショーでなく、サンマルコ広場に「カーニバル」の為の特設舞台が
組まれている。
イタリアから送られていた、舞台イメージと同じく大舞台である。

問題は特設舞台だけに、楽屋で準備をするのは不可能ということで、宿泊ホテルで
準備をしての出発となる。
特に今回は「花魁」「舞妓」と衣装や蔓をつけての装いである。
数十万人の人混みの中だけに、ベニス市から、特別に市警の誘導でパレードしながらの
会場入りとなった。
白塗りに大きな蔓姿はそのものズバリ、カーニバルと言える出で立ちであった。

手作りの花魁蔓の後ろ姿。

宿泊ホテルから、バスと船に乗っての会場入りである。
船の中の花魁さん。この蔓と衣装・三歯下駄はどれも手作りで、
花魁チームの正蔵寺香苗さんや皆さんの苦労の結集だった。

船着き場で待つ一行

京風舞妓さんも登場、舞妓さんの蔓は当校の一番弟子さんが
「自分は行けないので、せめて私の技術だけでも参加させて
下さい」と真心こめて結ってくれました。
壊れずに運べました。「ありがとう!」

10万人からの人・人・人の中、船着き場から、サンマルコ広場
の会場までは、ベニス市がベニス市警を動員して、笛を吹きながらの
誘導であった。

「フォト・フォト」とカメラを向けられ、前に進むこともできないほどの
人気ぶり。先頭を行く三宅会長は、時間がないので「皆さん急いで
下さい」と大声を張り上げても、全然届かない。

きものの人気振りに圧倒され「しょうがないね。」と諦め顔の三宅
会長。それを察して急に市警のおじさんが、笛を大きく吹いて、写真撮影も
制限されながらのパレードだった。

ナレーターも急遽、「きものが着たい」と言われ、振袖に髪は
アップに結って(舞妓さんの隣)一緒に歩いていると、日本からの
スタッフと変わらないですね。

サンマルコ広場の特設舞台に着くなり、リハーサルが始まった。
と言っても、本番リハーサルは、お客様がたくさんいる場なので
出来ないので、場当たり程度と振り付けの確認ぐらいしかできない。

春のシーンのリハーサル

夏のシーン振り付け

前日にゲットした、現地の片持ちも男衆のリハーサル
初めてのことで何をさせられるのか、不安顔のイタリアイケメンさん

ゆかたに着替えてポーズをとる男衆モデルの皆さん。それなりに
似合ってますでしょう。

高い下駄を履いてのリハーサル、打掛を羽織らない姿でも
観客は写真を撮っていて、観ている人は、本番かリハーサルか
分かっていなかも知れないなー。

髪型・衣裳・帯結び、それぞれの花魁装束だが、やはり舞台で
揃わないと駄目なので、振り付けと場当たりに余念がない。

一番大変だったのは、40名が舞台に上がるフィナーレだった。
とにかく、自分の立つ位置のポジションをキープするだけでも
一苦労だった。 

さあ本番が始まりました。
《日本の四季≫と題して、春・夏・秋・冬の衣装を紹介した。

春の梅・桜から、夏の衣装の紹介

ヘアーデザイナーで参加してくださった、丹後の高山信さんデザインの
ヘアー飾りが一段と映えて、カーニバルでマスクをつけたり、派手な衣装
に負けない素晴らしい桜のシーン。

秋の紅葉

冬のシーン

着付けソング

着付けお点前 振袖自装 帯結び

9名のモデル、着付けの先生方による、振袖帯結びショー
音楽に合わせて5分で、見事な創作オリジナル帯結び。

日頃のクリエーティブな感性を磨いた賜物だとご満悦。

最後の仕上げの飾りまで、余裕ですね。

赤い襷に気合をこめて、片足に踏ん張り、丸帯の舞妓の帯結び。

「どうどすか、綺麗どっしゃろ」 ぽっこりの下駄で舞台狭しと
お披露目といきまひょか。

フィナーレ

日本舞踊を紹介してくれたお二人と舞妓さん。

フィナーレでは、片貸し男衆も余裕ができ、花魁道中でも
しっかり花魁を誘導してくれました。

フィナーレの花魁道中では「外八文字」の歩行もうまくでき
ホットして思わず笑みが出た花魁さん。

フィナーレ 頼もしい男衆 花魁をかばいながら、ゆっくりとしかも
堂々と息もぴったりの、花魁道中。
下駄は三本歯で片方だけで、25kくらいあるのを、手作りで作り
イタリアまで持ち運んだなんて考えられます。

フィナーレ

たくさんの観客に心から「ありがとうございました」感謝のお辞儀をする
三宅会長。

全ての監修にご挨拶。

ベニス市に花嫁衣裳の豪華な「打掛」を贈呈。まずお披露目です。

ベニス市市長代理の文化担当に打掛贈呈。

「打掛」を羽織ってもらった。

感謝の言葉を述べられた。

これを持って2012年のイタリアベニスカーニバルでのきものショーの
プログラムを終了する。

野外ステージだけに、お天気が一番気がかりだったが、青空が舞台の
きもの姿を一段と美しくみせてくれた。

参加者全員の苦労のご褒美を神様が下さったのでしょう。
皆様ご苦労さまでした。

そして応援してくださった多くの皆様、長いお留守をお守りくださった
ご家族の皆様、本当にありがとうございました。
感謝! 感謝!の「海外文化交流・イタリアベニス編」の報告ブログでした。