京都きものファッション協会Association of Kyoto kimono fashion

話題・活動報告topics

日常の話題や着物や着付けに関する活動報告を配信しております。

京都国民文化祭参加・東日本大震災復興支援チャリティー公演

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「京都国民文化祭参加・東日本大震災復興支援チャリティー公演」
日時   2011年10月23日(日)
会場   京都府民ホールアルティ
にて行われた、「愛のトリビュート」は善意ある多くの皆様のお蔭で
無事終了することができました。
心から御礼申し上げます。

ここで多くを語るより、ホワイエのオークション景品の写真
被災地からの参加者に寄贈された、振袖姿の御嬢さん達のきもの姿、
ステージの模様などご覧いただきたいと思います。


京都府民ホールアルティー・ホワイエ会場で行われた
「チャリティー・オークション」
善意ある多くの企業・個人の皆様から寄贈された、
豪華なきもの・袋帯・名古屋帯・絵画・ハンドバック・ショール・
手染め日傘他多くの商品が展示されました。
ご寄贈ありがとうございました。

これら、60数点の品々を、オークションにてお求めいただきました
皆様ありがとうございました。お蔭様で完売いたしました。

京都府下に避難して来られている、400世帯の方々に
「愛のトリビュート」の観賞ご招待と、振袖プレゼント《10セット》
会場にて着装、振袖姿で会場特別席に入場。

山口県 全日空ホテルに店舗を持つきものレンタル・小売店の
華洛(社長 渡華辺光路)から長襦袢・振袖・袋帯・帯揚げ・帯締め・
重ね衿の6点セット10名分がプレゼントされた。

「災害できものが流された」「このような華やかな格好ができると
思ってもいなかった」「本当にいただけるんですか?」と大喜びだった。

きものが大好きな10歳の敦子ちゃん。
急いで、肩と腰縫い上げをして可愛い振袖
姿に変身。今日の日を忘れないで、どんな
困難にも負けずに頑張ってね。

57歳とは思えない若々しい、最年長者の振袖姿。
生まれて初めての着物姿に大満足で、悲しかった
出来事もこの一瞬だけでも忘れていただけたようだ。

真っ赤な振袖がよく似合って可愛い!

オープニングで、文芸春秋から出版されている、
被災者の子供達の作文集「つなみ」の中から
司会者の朗読で紹介された。

「愛のトリビュート」 第一部

   チエロ演奏 ウイリアム・フランクル

プログラム最初はウイリアム・フランクルさんのチェロ演奏。
アメリカ生まれで2001年に来日以来、京都を拠点に
活動を始められる。
「バッハ作曲無伴奏チェロ組第一番ト長調BWV-1707
優しい音色で、観客の心も癒されたことでしょう。
有難うございました。


 
ピアノ演奏 エヴァンゲロス・サラフィアノス

「愛のトリビュート」プログラム第一部2、ピアニスト「エヴァンゲロス・サラフィアノスさん
三宅の友人で、ギリシャでの「きものショー」で、ピアノ演奏できものを紹介しました。
日本での演奏も多く、今回の悲惨な出来事に大変心を痛め、チャリティーとして
参加された。
演奏曲は、ベートンベン作曲「ピアノソナタ第14番作品27-2月光」を見事な旋律で
観客を魅了しました。21日には、美山でもチャリティーコンサートを開き、涙する観客
もいたようだ。

愛を唄う 岡 幸二郎

「愛のトリビュート」一部の最後を飾ったのは、
ミュージカル俳優 岡幸二郎。
劇団四季で数々の名作品に出演され、現在はミュージカル俳優。
甘いマスクと力強い艶のある歌声と幅広い声域で、会場の隅々まで、
「愛を唄う」のテーマ曲、で客席からは感動の声援が送られた。

「愛のトリビュート」第二部 ダンスカンパニーディニオス
公演の総合演出、渡辺タカシ主宰
渡辺ジャズステージセンター・と
ダンスカンパニーディニオス(舞踊団)ともに関西を中心に
国内外で活動。

渡辺タカシ、音楽・振付・ダンス作品 MIDA op145
この作品は、二〇〇〇年フランス・エヴアンが初演で、
三宅のきものショーと同時上演された。
日本の仏教「般若心経」の《観自在菩薩:::》を繰り返し
見事な旋律で、現世の痛みや苦しみ喜びや悲しみを、一人
一人のダンサーが全身で表現された。

人の体とは思えない美しい動きに、モナコ王国の現国王(当時皇太子)
も絶賛されていた。今回の災害に向けて祈りのダンスが、ダンサー
の全身から伝わり会場からも大きな拍手が送られた。

KIMONO de GaIa   (きものショー)
京都の伝統工芸士・きもの作家7人によるきもの特別展のきものショー

木戸 源生 

愛媛県生まれ、京都の染匠に入門。
数々の作家展にて受賞。
「着物を装うことで四季それぞれの美しさをより感じて
欲しい」を念頭に京友禅の現代美を追求している。
訪問着 2点

訪問着に袋帯で、やや小さめの「文庫形」の変化
結びが華やかに結ばれている。

羽田 登

重要無形文化財保持者 羽田登喜雄の長男として生まれる。
幼少期から、工房に寝起きする少年期を過ごし思春期は、書、
日本画、スポーツと幅広い趣味が作品に生かされている。
中でも鮎釣りから、渓流や水の流れをモチーフにしたものが多い。

振袖と訪問着、大胆な幾何学模様が、華やかで品のある
粋さのバランスが絶妙な作品で誰もが手を通したくなる
ような作品である。

堀 省平

金彩̪士堀幸之助の長男として生まれる。
1962年家業を継ぎ、金彩工芸の道に入る。
伝統工芸士に認定され、次々と新機塾軸の金彩技術を工夫して
多くの作品を創作、受賞作品も多数受ける。

1996年モナコ公国で作品発表。
この作品はモナコ王国に献上された、デプリカで
打掛風の衣装を三宅てる乃が着装に工夫を凝らし
パーティーにも着られるモダン感覚を表現している。

吉岡 肇

京都市生まれ 下村良之助に師事。
手描き友禅師として独立、1973年日本染色協会モード展出展
、特選を得る。1988年伝統工芸士認定。

艶やかな振袖と、紫に白で竹の柄、対照的に見える作品だが、
色彩感覚の深さが伺える。

黒地に大輪の牡丹の柄は舞台でも一段と映える色彩である。
2000年ミスユニバース日本代表が着用した桜の振袖が、
話題となったのも当然といえるでしょう。

きものショーの間に、表現されたのは、真っ白いダンス衣装に
身を包んだ二人のダンサーが踊る、繭の精「シルクの誕生」である。

栗山 吉三郎

先代 栗山吉三郎に師事
1989年 二代目栗山吉三郎を襲名。
沖縄紅型と京都の染色を融合する「和染紅型」の
工房として独自の世界を生み出している。

藍染風の振袖と、縞と段ものの古典文様を、紬地に
染め上げた、粋さの中に可愛い着物に、「つの出し」結び
でお洒落感をだしている。

斎藤良樹

大阪に生まれ、河合玲デザイン研究所卒業。
染色作家中川雅英氏(友禅染)に師事、
染色作家小川靖弘氏(ろうけつ染め)に師事、
1976年工房「染のよしき設立。以後ニューヨークをはじめ、
各地で個展を開催。数々のきものブランド手掛ける。
現在、京都工芸家協会理事長。

染色技法の新分野の開拓意欲的に取り組む。
今回の作品も、艶やかで大胆な色彩にもよく
表れている。
                              

田端喜八

京都生まれ。祖父三代目喜八(人間国宝)
父四代目に師事。1985年イタリア ジェノバで
日本染色作品展開催。
1987年京都彩芸美術共同組合理事長。
日本手描染織連合会会長。
アメリカボストン美術館アート・イン・ブルームで特別出演。
朝日新聞社主催の田畑コレクション「かがやける小袖の美」を開催。
1995年五代田畑喜八を襲名。

大海原を思わせる、デザインと色彩の手描き友禅の技法
の奥深さは圧巻である。
コーディネイトされた、貝文様の帯は品よく纏まっている。

田畑喜八のきものは、「きものショー」ではめったに
観ることができなく、観客も大喜びであった。

花嫁衣裳 京ござん

この作品は貸衣装の衣装ではない。
京都二条城近くにある呉服メーカーの、若旦那の結婚式に
愛妻の為に2年がかりで、刺繍を施した大振袖で、見事な作品である。
貸し出し可能とのことである。ご希望の方はどうぞ。

京風びん型の「日本髪」は、鬘ではありません。
地毛で結いあげた日本髪である。
きもの着付け(三宅てる乃アカデミー1番弟子)から
趣味で始めた日本髪。数十年の努力の末見事な
出来栄えの技術である。
技術者(茂木信子)

1984年フランス、ニースにおいて、主催・ニース市
企画立案・三宅てる乃による、「ファッション・フェスティバル」
が行われた。
≪コートダジュール・クリエーター≫協会のファッション
デザイナーが、日本の着物産地のきもの地で
イメージする作品を制作、ファッションショーを開いた。
その時のデザイナーClaude Bonucci(クロード・ボヌッチ)が今回の
企画に賛同「自分は行けないが、作品だけ制作する」という申し出があった。

1984年、フランス ・ニースにて、クロード・ボヌッチと三宅てる乃
上記の反物が、下記の男性用スーツにとして制作された。

下記正面右(男性モデル)の作品も,クロード・ボヌッチ作

今回も2反のきもの生地(下記、友禅着尺)で制作された作品。

下記、友禅着尺とドレス。

30年近く続いている、友情に感謝!感謝!

多くの方々の善意で終演を迎え、感謝の言葉を述べる三宅てる乃。

演出家であり音楽家でもある、渡辺タカシ作曲「Bless my country forever]を
ミュージカル俳優の岡幸二郎の素晴らしい歌声でリードされ、
舞台と会場の観客とが一体となって、一日も早い復興と被災地の皆様の
健康とお幸福を祈り声高らかに唄いながら、フィナーレを飾った。

春のうららに いのち芽生えて
 緑したたる 夏の想い出
山はくれない 秋のひだまり
木枯しびゅんびゅん 冬の訪れ

Bless my country forever
 Bless my country forever
  Bless my country forever
     Bless my country forever

フィナーレト、作家の先生・演出家・スタッフ一同の記念写真。
皆様お疲れ様でした。
そしてありがとうございました。

多くの皆様のご厚意は、京都府を通してドネーション致しました。

ご招待しました京都避難者の方々「心温まる企画に胸が一杯に
なりました。ありがとうございました」・当日振袖プレゼントを
した、お嬢様からも、、「京都の想い出に、きものを大切にします」
など。それぞれにお礼のお便りをいただきました。

どうぞ、お元気で前に向かって進んで下さい。
頑張って下さい